バックアップ保管委託申請システム
2011年3月11日に発生した東日本大震災から15年が経過しました。
この震災では、大学や研究機関においても研究施設や生物遺伝資源が被害を受け、研究材料が失われる事例がありました。研究の継続を支える生物遺伝資源の重要性が改めて認識されました。
大学連携バイオバックアッププロジェクト(IBBP)は、この経験を踏まえ、大学・研究機関に所属する研究者が保有する生物遺伝資源を安全にバックアップ保管してきました。研究機関とは別拠点でバックアップを保管することで、災害などの不測の事態が生じた場合でも研究を継続できる体制づくりを進めています。
2012年の設立からこれまでに約400件の申請を受け付け、現在3万7千点を超える生物遺伝資源を保管しています。動物、植物、微生物など多様な生物遺伝資源を対象とし、生命科学、医学、農学、水産学など幅広い分野の研究者に利用されています。
IBBPでは、生物遺伝資源バックアップ保管の申請を随時受け付けています。利用方法はHP(https://ibbp.nibb.ac.jp/)を参照してください。申請は《IBBP-easy》をご利用ください。
▶ IBBP-easy(申請システム)
https://ibbp-easy.jp/
震災の教訓を忘れることなく、研究資源を守り研究を止めない仕組みとして、IBBPは今後も生物遺伝資源の保全とバックアップ体制の強化に取り組んでまいります。
2026年3月11日
大学連携バイオバックプロジェクト(IBBP)
基礎生物学研究所 IBBPセンター センター長
栂根 一夫
基礎生物学研究所 所長
三浦 正幸
この度、第5代IBBPセンター長を拝命いたしました。日頃より皆様のご支援、ご協力に心より感謝申し上げます。
IBBPセンターは、2011年の東日本大震災で多くの生物遺伝資源が失われた事態を受け、国内の研究途上にある生物遺伝資源をバックアップ保管するために設立された大学連携バイオバックアッププロジェクト(IBBP)の中核機関です。大学や研究機関の貴重な生物遺伝資源を、愛知県岡崎市において災害に備えた施設において保管しています。
日本は地震が多発する地域であり、近年の環境変動によって想定外の災害が発生しています。2025年に内閣府から公開された南海トラフ地震の被害想定では、被害を受ける地域の9割で停電し、1週間後でも火力発電所の再開は限定的とされています。災害発生時には人命が最優先となり、道路の分断などにより研究材料の保全が困難になる可能性があります。そのため、研究途上の生物遺伝資源を事前にバックアップ保管することが、研究の継続性を守るために重要です。まさに「備えあれば憂いなし」「転ばぬ先の杖」という言葉の通り、予防策を講じることが最善の対策となります。
さらに、バックアップ保管を行うことで、研究の再現性を確保することも可能となり、持続可能な科学研究の発展に貢献できます。IBBPセンターでは、技術講習会やCryopreservation Conferenceを開催し、異分野の研究者の交流を促進するとともに、生物遺伝資源の保存技術を発展させ、その成果を大学や研究機関へ還元することで研究の継続性を支援することを使命としています。
これまでIBBPが積重ねてきた信頼を受け継ぎ、今後も研究者や関係者の皆様と協力しながら、IBBPの活動を広め、さらに活性化させてまいります。挑戦と変革の精神を大切にし、研究の継続性を支えるために新たな可能性を探求してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
2025年4月1日
IBBPセンター長 栂根 一夫
■ IBBPセンター長
栂根 一夫 : 基礎生物学研究所・RMC特任准教授
■ IBBPセンター担当者
加藤 - 秋元 愛 : 基礎生物学研究所・技術主任
松林 尚美 : 基礎生物学研究所・事務支援員
都築 千鶴 : 基礎生物学研究所・技術支援員
浜谷 綾子 : 基礎生物学研究所・技術支援員
成瀬 清 : 基礎生物学研究所・特任研究員